DXレポート

 DXレポートと題したレポートが経済産業省より交付された。

その内容を自分なりの備忘録としてまとめる。

 

~もくじ~

 

DXとは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)

=将来の成長、競争力強化のために、
 新たなデジタル技術を活用して、

 新たなビジネスモデルを創出・柔軟に改変する

  • デジタル技術を道具として徹底的に活用して、新たなビジネス・モデルを創出すること。
  • 従来のシステム保守・維持業務から新しいデジタル技術の活用にシフトする。
  • データ活用を通して、スピーディな方針転換やグローバル展開への対応を可能にする。

キーワードとしては、「新しいビジネスモデルの創出と改変」。
しかも、それをいかにスピーディーに実現していけるか。
これから問われ続ける時代になっていくという警鐘なのだろう。

社会にデジタル技術が浸透するにつれて、技術に対する期待値が高くなり、より複雑で多様なサービスが要求されるようになってきている。
そんなニーズに100%応えられるサービスを提供するのは困難だと思う。
しかも、ニーズもめまぐるしく変化する。
ならば、提供するサービスもニーズに合わせて適用し、より最適に改変していく必要がある。
進化可能なサービスを構築していく必要があるのだと感じた。

 2025年の崖

多くの経営者が、DXの必要性を理解しているが、

  • システムが部門ごとに構築されていて、全社で横断的なデータ活用ができない
  • システムの複雑化・ブラックボックス
  • 現場サイドの抵抗

このままでは、、、

 →データを活用しきれない

   →DXが実現できない

     →市場の変化に対応して、ビジネス・モデルを
      柔軟・迅速に変更することができない

       →デジタル競争の敗者になってしまう

 →システムの維持管理費が高額化

   →IT予算の9割以上に(技術的負債)

 →保守運用の担い手不足

   →システムトラブルやデータ損失等のリスク増加

 

 ニーズに対するあるべき論を述べたところで、手元にある資産(ソフトウェア、ソースコード)に目を移したときに感じる、「To-Be」と「As-Is」のギャップをまさに指摘されている。
そして、すべてが「デジタル競争の敗者」につながる。
コストとリスクの増加につながっていく。
まさに泥沼化。
日頃のソフトウェア開発で感じている負債が積みあがった将来を創造してみると、ぎょっとする。

この課題を克服できない場合、

  • DXが実現できない
  • 2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性がある

その最たるが「12兆円の経済損失」。
巷で東京オリンピック開催費用の4倍相当。

もったいなさすぎる。

技術的負債がなければ、給料はもっと上がるだろう。
新しい事業やサービスを開始することができるだろう。
もっと有意義なことに国として投資ができるだろう。
そうすれば、もっと便利な日常が過ごせるだろう。
そして、もっと開発が楽しいものになるはずだ。

DX実現シナリオ

 複雑化・ブラックボックス化した既存システムを仕分けしながら、刷新しつつ、DXを実現する

→ 2030年実質GDP130兆円超の押上げを実現。

 

~2020年:「システム刷新」
 「見えるか」指標による診断・仕分け
 システム刷新計画の策定
 共通プラットフォームの検討
 体制構築

2021年~2025年:DXファースト期間
 経営戦略を踏まえたシステム刷新
 不要なシステムの廃棄

 

 日頃、泥沼化したシステムを目にしている立場からすると、
こんなにスムーズに移行が実現できるとはとうてい思えない。
そんなに簡単な話だったら、もっと前から刷新できていたと思う。

だからといって、何もしなければ泥沼がずーっと続くだけだ。

 

DXレポートは、その末路として2025年にどんな末路が待っているか警鐘を流してくれたのだと思う。


幸いにも日本人は、現状の中でやりくりしていくことが得意な人種だったと思う。
今までだって、少ない手持ちの技術を組み合わせて磨くことで新しい価値を生み出してきたと思う。

 

2025年という未来を想像しながらソフトウェア開発に向き合うと、
取り組み方が変わってくるのではないかなと感じた。
 

 

www.meti.go.jp

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